ジュニア算数オリンピック 2018 ファイナルの問題②
前回の続きです。
問題はこちら:
1から1024までの整数が順に並んでいます。次の操作を行って、数字を消していきます。
操作: 一番最初に書いてある整数を消す。その後は3個おきに消せなくなるまで整数を消す。
- 1000は何回めの操作で消えますか。(正答率28.06%)
- 1000は1番めの1から数えて、何番めに消される数ですか。(6.12%)
さて、解法です。
こんな風に傾いた台に ボールが1024個ならんでいて、1000番目だけが赤だとします。
ここで、「一番左のボールを取り出し、その後3個おきにボールを取り出す」という操作をおこないます。
ボールを取り出すと残ったボールは左に寄って行きますね。
一番右までこの操作が一通り終わったら、この操作をまた左から行います。何回この操作を行ったら赤いボールを取り出すことができるか?というのが1.の問題です。
さて、取り出されるボールの番号ですが、その番号が4で割って1余った数の場合ですね。
では、1000番目にある赤いボールでやってみましょう。
- 1回目の操作:1000÷4=250 余りなし→取り出されない。この操作の結果、1000より前の250個が取り出されるので、赤いボールは左から750番目になります。
- 2回目:750÷4=187…2→取り出されない。余り2個のうち最初の1個はとりだされるので、取り出されるのは188個。これで次は750-188=562番目に。
- 3回目:562÷4=140...2→取り出されない。562-141=421
- 4回目:421÷4=105...1→余り1になったので取り出される。
答えは4回目。たぶん、ほとんどの子はこうやって解いたんじゃないかな?
つぎに、2.の問題です。これは1.が解けたら楽勝ですね。上の1から4で取り出した数を合計するだけです。
答え:250+188+141+106(赤は106番目に取り出される)=685
なーんて安易に解いている日本人のなんと多いことか。
ぼーっと解いているんじゃねーよ!! (byチコちゃん)
すみません。ぼーっと解いてしまいました。
上の図をよく見ると、ボールは1024個ありました。てーことは1〜3の操作では赤いボールより右にあるボールのことも考えなければいけません。上の計算では、右側のボールのことを考えてませんね〜。
ではやり直し。
- 1024÷4= 256 256個取り出し残りは768
- 768÷4= 192 192個取り出し残りは576
- 576÷4=144 144個取り出し
- これは先ほど計算した通り、赤いボールまで106個取り出し
よって答えは、256+192+144+106=698番目
この問題、1の正答率が28%なのに、2が6%と大きく差がついたのは、これで引っかかったんでしょうね。引っかかったのは22÷28=79%。
8割近くのお子様が引っかかりました(自分もそう)。まあ、他の理由の可能性もありますが。
今回のファイナルですが、解説読むと、なるほどこういう発想の転換が必要なんだな、と勉強になることも多々あり、難しすぎずに良かったんじゃないかと素人の父親の感想でした。
もう一つ。最後の図形の問題の解説はなるほどと思いつつ、これはちょっと解けないなと思いつつ、算数星人さんのwebをみると、別解が。自分としてはこっちの方がしっくりくるかな。